<要旨>
- 2013年5月、バーナンキFRB議長(当時)が資産購入の縮小に言及したことで、米国10年国債利回りは急上昇し、これに伴い新興国通貨建て債券の利回りも大幅に上昇(リターンはマイナス)した。
- これに対し、今回はFRBの資産購入の縮小が開始される際に、新興国通貨建て債券の利回り上昇が続く可能性は低いと予想している。また、仮に新興国市場で通貨下落、金利上昇が起きれば、それは投資機会となると考える。
<2013年と今回が異なる5つの理由>
- FRBの市場との対話
- 前回:バーナンキFRB議長(当時)は、資産購入の縮小を示唆したが、市場はこれを政策金利の変更を示唆したものだと受け取った。(その後、市場の混乱を見て、FRBは量的緩和の縮小と政策金利の変更を区別して考えている姿勢を明らかにした。)
- 今回:市場参加者がFRBに先んじて資産購入の縮小を予想している。
- 資金フロー、金利動向、金融政策
- 前回:新興国通貨建て債券市場に大量の海外資金が流入しており、加えて市場参加者は、資産購入に伴う金利上昇の可能性を織り込めていなかった。
- 今回:市場では既に資産購入の縮小が予想されているため、新興国(除く中国)通貨建て債券市場への資金流入はマイナス。新興国債券市場では既に金利が上昇しており、金融政策面でも、前回と異なり、利上げ姿勢に転じている新興国中央銀行が増えている。
- 債券市場の織り込み
- 今回は、主な高利回り国でイールドカーブの傾斜が急峻であり、2013年と比較して米国の実質金利上昇の見通しを織り込んでいると見られる。為替市場でも、中南米・中東欧通貨の実質実効為替レートは弱い動きとなっており、米国長期金利の上昇を織り込んでいる可能性がある。
- 世界の経済成長とコモディティ市場
- 今回は、世界のGDP成長率が堅調(2021年6.4%、2022年予想4.2%。2012年および2013年は約3.5%)。コモディティ市場は、2012および2013年は下降トレンドだったが、現在は2000年代初頭以来の高成長となっている。
- 新興国のファンダメンタルズ
- 今回は、新興国の対外収支が2013年よりも良好な状態にある。2012年にブラジル、インドネシア、南アフリカ、インド、トルコの「脆弱な5か国(フラジャイル・ファイブ)」は、大幅な経常赤字を抱えていたが、現在は、トルコを除き経常収支が大幅に改善している。
留意事項
本資料に記載の内容は、PGIM フィクスト・インカムが作成した” FIVE REASONS WHY EM LOCAL MARKETS MAY NOT TANTRUM TO THIS TAPERING”をPGIMジャパン株式会社が要約したものです。PGIMフィクスト・インカムは、米国SEC の登録投資顧問会社であるPGIM インクのパブリック債券運用部門です。
本資料は、プロの投資家を対象としたものです。すべての投資にはリスクが伴い、当初元本を上回る損失が生じる可能性があります。
本資料は、当グループの資産運用ビジネスに関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘又は販売を目的としたものではありません。また、本案内に記載された内容等については今後変更されることもあります。
本資料に記載されている市場動向等は現時点での見解であり、事前の通知なしに変更されることがあります。また、その結果の確実性を表明するものではなく、将来の市場環境の変動等を保証するものでもありません。
本資料に記載されている市場関連データ及び情報等は信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、その情報の正確性、確実性について当社が保証するものではありません。過去の運用実績は必ずしも将来の運用成果等を保証するものではありません。
本資料は法務、会計、税務上のアドバイスあるいは投資推奨等を行うために作成されたものではありません。
当社による事前承諾なしに、本資料の一部または全部を複製することは堅くお断り致します。
“Prudential”、“PGIM”、それぞれのロゴおよびロック・シンボルは、プルデンシャル・ファイナンシャル・インクおよびその関連会社のサービスマークであり、多数の国・地域で登録されています。PGIMジャパン株式会社は、世界最大級の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、英国プルーデンシャル社とはなんら関係がありません。
PGIMジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第392号
加入協会 一般社団法人日本投資顧問業協会、 一般社団法人投資信託協会
PGIMJ82317