日本版スチュワードシップ・コードの受け入れについて
基本的な考え方
当社は、日本版スチュワードシップ・コードを受け入れ、資産運用者としての機関投資家として、スチュワードシップ責任を果たすための行動を通じて投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目指します。
スチュワードシップ責任を果たすための行動に関する方針
- コードに示された原則に対する当社の対応を定め、公表します。
- スチュワードシップ責任を果たすための中心的活動として、投資先企業との目的を持った対話ならびに議決権の行使を位置付けます。
- 議決権の行使は別途定める「議決権等行使のガイドライン」に基づいて実施します。
対象とする資産
日本の上場株式および国内債券を対象とします。ただし、株式において、インデックス運用口座が保有している銘柄については、一定の基準で抽出した銘柄を対象とします。
なお、株式の運用に関して、運用に関する権限を他の運用会社に再委託する場合は、原則として再委託先の方針を尊重します。
日本版スチュワードシップ・コードの各原則に対する当社の考え方
【原則1】
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
- 当社は、本原則を実施するため、資産運用者としての機関投資家として、スチュワードシップ責任を果たすための基本方針を策定し公表します。
【原則2】
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
- 当社は、顧客の利益に反して自己あるいは第三者の利益を図ることなく、もっぱら顧客の利益のためにのみ、顧客間の公平性を保持しつつ業務を遂行します。通常の業務において当社は、顧客と当社の間の利益相反、顧客と当社役職員の間の利益相反、顧客間の利益相反等の可能性を想定しておりますが、当社や役職員の利益ではなく、顧客の取引を優先すること、また顧客間の場合には、同一条件の顧客は平等に取り扱うこととしています。
- 当社は、上記理念に立脚した「利益相反管理規程」を社内規程として定め、利益相反の厳格な管理を行います。また、その概要をホームページ上で公表しております。
- スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反の類型としては、当社の顧客及び顧客の関係会社に対する議決権を行使する場合があげられます。これに対する管理体制としては、予め「議決権等行使のガイドライン」を設け、これに沿って議決権の行使を行っています。
- 加えて利益相反防止のガバナンス体制強化として、「議決権等行使のガイドライン」の検証および「議決権等行使のガイドライン」と議決権行使結果の整合性の検証などスチュワードシップ責任に係る利益相反の管理体制等につき、社外の第三者によるレビューを実施します。
【原則3】
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
- 当社は、投資先企業の企業戦略・業積・資本効率・ガバナンス体制・収益機会およびリスク等の非財務情報を含む事項を、開示資料・企業説明会・直接の対話を通じて継続的に把握します。
【原則4】
機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
- 当社は、機関投資家として、投資先企業と直接コンタクトする機会を有しています。そのような機会において、投資先企業の持続的成長を促すことを目的とした対話を行うことを通じて企業価値の最大化を目指します。投資先企業と当社の間で意見の相違があれば、議決権行使等を通じた行動をとることもあります。
- 当社の株式運用においては、アクティブ運用については保有する全銘柄の議決権を行使するとともに、エンゲージメント活動を行います。パッシブ運用については、ファンドの価値を高める目的と実効性のあるスチュワードシップ活動のため、アクティブ運用で保有する銘柄と重複する銘柄、および当社が運用するパッシブファンドの時価合計額に対する時価額ウェイトの上位銘柄について議決権を行使します。加えて、それらの銘柄のうち業績不振企業やESG等に問題のある銘柄についてエンゲージメント活動を行います。「目的を持った対話」については、中長期的な視点から、投資先及び投資候補先企業に対し、企業価値や資本効率を高め持続的な成長を促すために積極的に取り組んでいます。とりわけ、ボトムアップのアクティブ運用における銘柄選択は、高配当の持続性を重視しています。この運用戦略に基づき、以下等を事例とする「目的を持った対話」を実施しています。
- 持続的成長を達成するための事業戦略について(グローバル事業戦略、新規事業の戦略・潜在市場、コア事業とノンコア事業への資源配分、等)
- 資本政策について(資本の効率性を重視したキャッシュフローの使途、企業の成長ステージを考慮した成長投資・株主還元・従業員還元の適正配分、株主還元に対する経営トップの考え方・企業方針、等)
- 事業環境の変化に対応した戦略変更について(外部環境・競争環境の変化に対応した収益性の追求・効率的資源配分、不採算事業の改善、等)
- ESG要素について(環境経営に対するトップのコミットメント・取組み状況、SDGs:持続可能な開発目標に関する取組み、ESG要素の開示項目のあり方、課題となっているESG要素の改善状況・今後の事業方針、ESG要素の開示項目、BCP(事業継続計画)の取組み状況、等)
- 債券運用においては、外部評価会社の情報も参考にしつつ、各発行体に対して当社独自のESG社内格付を付与します。クレジット・リサーチにおいて考慮するESG要因は産業や個別の企業により異なりますが、発行体との対話においては、重要となる問題についての十分な開示を促したいと考えています。
- 投資先企業との対話は未公表の重要事実を求めるものではありません。未公表の重要情報を入手した場合には、社内規程等に基づき所定の管理を行ないます。
【原則5】
機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
- 議決権行使の指図には、顧客・受益者から委託された資金を運用会社としての受託者責任に基づき、もっぱら顧客・受益者の利益を図るため、即ち企業価値(株式価値)の増大あるいは価値の毀損防止のみを目的に行うものとします。この基本的考え方のもと、「議決権行使の指図に関する考え方」ならびに「議決権等行使のガイドライン」を定め、これらに基づき、運用担当者が議決権行使を行ないます。「議決権等行使のガイドライン」の策定等において、議決権行使助言会社であるInstitutional Shareholder Servicesの助言を参考にしますが、最終的には、運用担当者が投資先企業の状況や当該企業との対話内容等を踏まえて個々の議案について検討し、自らの判断で議決権を行使しています。また、議決権行使に係る基本方針および議決権の行使結果をホームページ上に開示します。なお、議決権行使の方針に照らして説明を要する判断を行った議案、投資先企業との建設的な対話に資する観点から重要と判断する議案については、賛否を問わず、その理由を公表します。
【原則6】
機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
- 当社がスチュワードシップ責任を果たすための中心的活動と位置付けている、投資先企業との目的を持った対話ならびに議決権の行使の実施状況を定期的に報告します。
- 議決権の行使状況については年1回ホームページ上で開示します。また、目的を持った対話の実施状況については、顧客に定期的に報告します。
【原則7】
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
- 当社は、運用経験が豊富で高い専門性を有する人材を中心とする運用チームを配置して運用にあたっています。スチュワードシップ責任を果たすための活動実施に必要なスキル向上にも努めます。
- 株式運用においては、長期的観点からみて高配当の持続可能性の高い企業の特定に積極的に力を注いでいます。運用担当者は、外部の調査会社の情報も含めESGに係る情報を可能な限り入手し、企業のESGへの取組みを評価します。ESG要素は、高配当の持続性を見極める重要な要件の一つと位置付けています。
- 債券運用においては、長期的観点からみて持続力・競争力の高い企業の特定に積極的に力を注いでいます。クレジット・リサーチ活動の一部として、アナリストは外部の調査会社の情報も含め、ESGに係る情報を可能な限り入手し、独自のESG評価を実施しています。
- スチュワードシップ・コードの実施状況を自己評価し、その結果をホームページ上に定期的に公表します。
スチュワードシップ・コード実施状況の自己評価については下記をご参照下さい。