2025年に入っても米国株式市場を支える好調なマクロ経済環境が持続し、株式(特にグロース株)は恩恵を受けた。経済指標は良好な市場環境を示唆するものであり、インフレが鈍化する中で米連邦準備制度理事会(FRB)は一連の利下げを開始したほか、第2次トランプ政権の経済政策がもたらし得る潜在的な影響についても楽観的な見方がされていた。しかしながら、これと同時に不確実性も高まっていた。
今年は、トランプ大統領の政策が広範な投資環境に影響を及ぼすと予想されていたが、貿易や関税、税制改革、移民政策などの実施を巡る不確実性の高まりにより、新たなリスクが生じた。2025年1-3月期に新たな関税引き上げが発表されたが、輸入関税の規模や、これらを交渉手段としてどのように活用するかについては不透明だった。原材料コストの上昇やサプライチェーンの混乱が商品価格の上昇をもたらし、これによって消費支出が減退するとの懸念が高まったことから、市場ではボラティリティが上昇した。不確実性が高まる中、市場センチメントは悪化し始めた。
世間を驚かせた中国のDeepSeekによるAIモデルの発表は、2024年の市場リターンの主な牽引役であったテクノロジーおよびAI関連企業にとってさらなる重石となり、米大統領選後の市場の上昇分は3月初旬までに全て巻き戻された。こうした市場の混乱の中、1-3月期はディフェンシブ・セクターがアウトパフォームし、エネルギーなど政策支援が期待される景気循環セクターが上昇した。対照的に、高成長/高バリュエーションのセクターは下落し、市場全体をアンダーパフォームした。こうした中、S&P500とラッセル1000グロース指数は、ともに四半期ベースでは約2年ぶりの下落となった。
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