長期にわたる高い金利水準が債券の強気相場をもたらす
9月19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)における米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のメッセージは、「Higher for longer(より高く、より長く)」を明確に伝えることだったと見られる。
9月19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)における米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のメッセージは、「Higher for longer(より高く、より長く)」を明確に伝えることだったと見られる。
9月14日の理事会において、ECBは預金金利を単一通貨ユーロ誕生以降の最高水準となる4.0%に引き上げた。その主要因として、5%を上回る不快なほど高水準のインフレ率が挙げられた。
金利環境は過去10年にわたる超低水準から、歴史的に見て「標準的な」3~5%のレンジに回帰した。成長、インフレ、政策金利を押し下げ、長期金利の低下をもたらした要因は後退し、長期債利回りは歴史的に見ればより正常な水準へと上昇している。
米国経済は4-6月期も引き続き底堅く推移した。好調な個人消費と賃金上昇が、年初の3.5%から3.7%への僅かな失業率上昇の悪影響を相殺した。
一連の危機にも拘わらず、2023年上半期の世界経済は最悪の事態を回避した。こうした状況を受け、世界経済は好ましい方向に向かっている可能性があり、このことを十分に織り込む必要があることを市場は再認識した。