- 過去20年にわたるグローバル化の進展によって、新興国および先進国経済は大きく成長した。しかし、コロナ禍によるサプライチェーンの混乱、更にロシア・ウクライナ紛争を受け、「フレンド・ショアリング」、すなわち同盟国や友好国などの信頼できる国々に限定してサプライチェーンを再構築する動きが見られている。
- こうした動きが一過性に留まらなかった場合、コロナ禍前からの構造的要因(中国をはじめとした主要新興国での労働人口の拡大ペース鈍化、政府による財政支援余力の低下など)と相俟って、新興国の経済成長がネガティブな影響を受ける可能性がある。
- 先進国が高付加価値製品の生産を自国内に回帰させる動きによって、1950~60年代に見られた新興国が原料を輸出し先進国から製品を輸入するという貿易構造が再び顕著となる可能性もある。これが新興国の経済成長と生活水準に影響を及ぼし、民衆の不満、ポピュリストやナショナリストの出現、国際的な同盟関係の崩壊、G10との貿易関係の悪化を招くリスクも考えられる。
- 今世紀に入ってから見られる新興国の地域ごと・国ごとの相対的パフォーマンスの格差は、今後も持続する可能性がある。「フレンド・ショアリング」の恩恵を受ける国も出てくると考えられ、例えばメキシコは、既にグローバルなサプライチェーン網の一翼を担っており、また地理的にも米国に近いことから、米国が中国からメキシコに生産拠点を移すなどの恩恵を受ける可能性がある。
- エマージング債投資の観点からは、新興国経済の長期的な成長見通しが低下する場合、地政学的な要因による投資機会とリスクの分析が、これまで以上に重要になるとPGIMフィクスト・インカムは考えている。そして重要なことは、エマージング債券には非常に幅広い債券(AA格の高格付債からデフォルト債券、国債から社債、現地通貨建債からハードカレンシー建債)が含まれており、こうした多様性が今後もレラティブ・バリューに基づく豊富な投資機会を提供することである。
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