- 過去数ヵ月の米国のインフレ率高進により、市場では短期的な期待インフレ率が急上昇している一方、長期的には2%程度で推移することが織り込まれている。そして、FRBは足元のインフレ高騰が落ち着いた後は、柔軟な平均インフレ率目標(FAIT:Flexible Average Inflation Targeting)の枠組みを維持し、インフレが2%を適度に上回って推移することを目指すと予想される。
- このように長期的に2%を適度に上回って推移すると予想される米国のインフレ環境の下で、エマージング市場の経済指標や資産価格がどのように推移するか、過去20年間のデータを用いて考察を行った。その結果、エマージング市場の信用スプレッドを始めとして、エマージング国の経済成長、通貨、金利、更にはインフレ率も米国のインフレ率と正の相関関係があることが分かった。
- つまり、米国のインフレ率が上昇すると、エマージング市場全体においてもインフレ率、経済成長率、エマージング通貨のリターンがそれぞれ上昇し、その一方で信用スプレッドは縮小し、金利については僅かに上昇することが観察された。
- エマージング市場の個別国について、各国の経済データ(成長率、インフレ率)、市場データ(信用スプレッド、通貨リターン)の米国のインフレ率に対する感応度を分析すると、国ごとに大きな差異があることも分かった。例えば、ポーランド、チェコ、チリなど米国のインフレ率に対する通貨の感応度が高い国は、米国のインフレ率上昇と共に信用スプレッドも大きく縮小する傾向がある。このように、国ごとの感応度に大きな差異があることは、米国のインフレ率が長期的に適度に上昇する環境下において、各エマージング国の相対的な魅力度の違いと投資機会を生み出すことを示唆している。
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