- 1月31日-2月1日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の過度な引き締めよりも不十分となるリスクに重きを置いていることが浮き彫りとなった。パウエル議長はFOMC後の記者会見において、これまでになく逼迫した労働市場を背景としたインフレ上昇リスクを指摘した。また、政策金利の最終到達点が12月FOMCで示された5.25%を上回り、市場予想よりも長期に亘って高い水準で維持される可能性についても言及した。
- 今回の発表で最もハト派的だと受け止められたのは、過去数ヵ月の緩和的な金融環境に対するパウエル議長の解釈であり、金融環境の緩和はFRBの反応関数に対する誤った認識ではなく、今後のインフレ減速に対する見解の相違だと説明した。インフレ鈍化を示す経済指標が増加していることを踏まえると、PGIMフィクスト・インカムでは市場予想の信憑性がより高いと見ており、FRBは3月にFF金利を5%に引き上げた後に利上げを停止するとの見方を維持している。但し、FRBの最大の懸念材料はスパイラル的なインフレ高進であるのに対し、市場参加者にとってはディスインフレが進む中での市場の大幅な反発を見逃すことだという点には留意が必要である。
- こうしたFRBのタカ派的なメッセージにも拘らず、市場は力強く上昇した。これは、今後の政策路線は結局のところ経済指標次第との市場の見方が反映されたものと見られる。市場参加者は、次回の利上げのみで十分にインフレは抑制され、2023年後半には着実に利下げを開始すると見ている。こうした見方からリスク選好が高まり、金利は低下、株式市場は上昇、信用スプレッドは縮小した。
- こうした市場の反応は、金利水準が過去10年来で最も高いこと、およびインフレ鈍化の兆しが見え始めていることを背景に、金利は今後数四半期で低下するとの市場の見方が反映されたものである。確かに、債券市場は戦略的なエントリー・ポイントにあるように見受けられるが、FRBが2023年後半に利下げに転じない可能性も考えられることに加え、FF金利が暫くの間4%超の水準に据え置かれる場合には金利に上昇圧力がかかる可能性がある。
- 一方、クレジット市場では、金利市場の安定化を背景に利回り追求の動きが再燃している。歴史的に、経済成長が減速して金利が安定すると、スプレッド商品は上昇してきた。FF金利が5%近辺でピークを打った後に低下に転じると市場が織り込む中、金利のボラティリティが低下するとともに、債券への資金フローが回帰すると予想され、これが今後もスプレッド市場にとって支援材料になると思われる。
- FRBが2023年後半に利下げに転じない場合には市場が調整する可能性はあるものの、債券市場は戦略的なエントリー・ポイントにあるように見受けられ、投資家は過去10年来の高利回りによってもたらされる投資機会を活用したいと考えていると思われる。これが債券市場にとって支援材料になるとPGIMフィクスト・インカムは考えている。
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