- 市場の予想通り、米連邦準備制度理事会(FRB)は11月1-2日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で75bpsの利上げを決定した。
- FOMC声明文には、「これまでの度重なる金融引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に影響を及ぼすまでの時間差、そして経済・金融環境の動向を考慮する」との文言が盛り込まれ、今後のインフレ指標次第ではあるが、早ければ12月に利上げペースを50bpsに減速させたいとの意向が示された。これは、金融政策がより制約的となり、経済成長の下振れリスクがより顕在化する中で、今後の政策余地を残したいとの考えが反映されたものだと見られる。
- しかし、パウエル議長は記者会見において利上げペースではなく、政策金利の最終到達点とその水準が維持される期間に焦点を当てた。利上げの一時停止の検討は極めて時期尚早であることを重ねて強調したほか、現時点ではインフレが緩和し始めている兆候は見られず、インフレ率を目標値に回帰させるという任務は道半ばであると述べ、よりタカ派的な姿勢を示した。
- こうした声明文とパウエル議長の記者会見を踏まえると、FRBはペースを緩めながらもより長期に亘って利上げを行い、政策金利の最終到達点はこれまでの予想よりも高い水準になると見込まれる。
- リスク資産市場はFOMC声明文を一時好感したものの、その後の記者会見の中で、足元の予想を上回るインフレ指標を踏まえた政策金利の最終到達点の上振れが示唆されたため、楽観的な見方が後退した。今後、インフレがピークを打つまで引き続き信用スプレッドと株式市場は不安定に推移する可能性がある。間もなくインフレが鈍化し始める兆候を示すデータはあるものの、これまでも時期尚早な判断がされてきたことを踏まえると、慎重な見方が必要である。
- 一方、金利市場においては、今後2四半期に亘る100bps程度の追加利上げが既に織り込まれている。FRBは更なる大幅利上げを示唆したものの、少なくとも実際のFF金利が市場の織り込みに追いつくまでは、債券市場は相対的に安定して推移する可能性があるとPGIMフィクスト・インカムは見ている。
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