植田新総裁のもとで初めてとなる4月の日銀金融政策決定会合では、これまでの金融政策が維持された。正副総裁の就任会見や事前の報道等から政策は据え置かれることがコンセンサスであったと見られるが、公表文書に加えられた変更は、今後の日銀の政策運営を占う上で極めて重要な意味を持つと考えている。今回のレポートでは、4月の決定会合の内容を整理し、日銀が今後どのように政策運営を行っていくのかを考察する。
今回の決定会合を整理する
4月27、28日に行われた金融政策決定会合では、政策を据え置く一方、金融政策運営について、幾つかの変更が加えられた。展望レポートで新たに加えられた2025年度の物価見通しは1.6%に留まったが、2023、2024年度の物価見通しは上方修正された。物価目標達成の可能性は、かつてよりも高まっている中で、植田総裁が「内外経済や金融市場を巡る不確実性は極めて高い。引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで2%を実現できなくなるリスクの方が大きいと判断」と発言したことは重要である。
金融政策運営については、公表文から「政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。」が削除された一方で、「内外の経済や金融市場を巡る不確実性が極めて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく。」が加えられた。加えられた文章は、今後の政策運営を占う上で、極めて重要な意味を持つ。
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