我々は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に計75bpsの利上げを実施すると予想している。これはコンセンサスに反する見方である。その理由は以下の10点である。
1:トレンドを上回る成長
経済成長率は引き続きトレンドを大きく上回っており、本年は2.5%近傍となる見込みである。需要を牽引する2大エンジンであるAI設備投資と資産効果に支えられた個人消費は、これまでのところ金利への感応度が概して低く、エネルギー価格の動向とも切り離されて推移している。
2:6年連続の目標超過
我々の予測では、コアPCEインフレ率は2026年を通じて3%超で推移する。これが実現すれば、目標を上回る状態は6年連続となる。これまで同様の構図、すなわち、活況を呈する需要が、労働、貿易、エネルギーと増え続ける供給制約に衝突しているのである。目標からの乖離が四半期単位ではなく年単位で続けば、いずれインフレ期待として定着し、それを覆すコストははるかに大きなものとなる。ウォーシュ議長はこのことを理解している。
3:縮小に向かう労働市場の需給の緩み
旺盛な総需要に沿って労働需要が再加速する一方、高齢化と移民制限により労働供給の伸びは先細りしつつある。労働市場の需給の緩みは、拡大よりも縮小する可能性が高い。
4:原油価格に残るリスクプレミアム
停戦が維持されたとしても、再エスカレーションのリスクとイランによるホルムズ海峡の事実上の支配を背景に、ブレント原油価格およびその川下製品にはリスクプレミアムが残存するだろう。
5:繰り返されるショック
エネルギー以外でも、ショックは今後も続くだろう。世界は、地政学的対立、経済戦争、財政優位、エネルギー不足という「オールド・ノーマル」に回帰した。リスク管理の観点からは、供給ショックによるインフレの上振れリスクを、平均回帰しない互いに独立した事象としてではなく、繰り返し発生し重なり合うものとして扱うべきである。
6:突出したハト派となるリスク
政策金利を据え置けば、FRBは主要中央銀行の中でほぼ唯一のハト派となり、中立金利が上昇する中で、引き締め度合いが後退することになる。そのいずれもが、インフレ率2%への回帰の道筋を複雑にする。
7:ウォーシュ議長の「ボルカー・モーメント」
先行して利上げを実施すれば、ウォーシュ議長のインフレファイターとしての信認は確固たるものとなる。それは議長にとっての「ボルカー・モーメント」であり、徐々にタカ派色を強め足並みの乱れが目立つFOMCとの間で信頼を醸成することにもつながる。
8:「予防的・一時的」という位置づけ
利上げは、欧州中央銀行(ECB)が示唆しているのと同様に、予防的あるいは一時的な措置として位置づけることができる。すなわち、供給ショックが収束し、生産性向上によるディスインフレ効果がデータでより明確に確認された時点で、完全に巻き戻すことが可能なものである。
9:長期金利は低下し得る
FRBが利上げのペースや規模で市場にサプライズを与えれば、長期金利、とりわけ住宅ローン金利はむしろ低下する可能性が十分にある。短期ゾーンで信認が回復すれば、長期ゾーンのリスクプレミアムは圧縮される。借り手(ひいてはホワイトハウス)にとって最も重要なのは、この長期金利の動きである。
10:指名承認がもたらす力学変化
上院による指名承認を経て、力学は変化した。ウォーシュ議長を正当な理由なく解任することは今や極めて困難であり、これにより議長は「正しいこと」を実行する自由を手にした。実行すれば、歴史は彼を高く評価するだろう。
詳しくはこちら
詳しくはこちら
詳しくはこちら
本資料は、海外グループ会社が作成した情報提供資料をPGIMジャパン株式会社(以下「当社」)が翻訳したものです。原文(英語版)と本資料の間に差異がある場合には、原文(英語版)の内容が優先します。
本資料は、金融機関、年金基金等の機関投資家およびコンサルタントの方々を対象としたものです。
本資料は、当社グループの資産運用ビジネスに関する情報提供を目的として作成されたものであり、特定の証券や金融商品等の販売・勧誘・推奨を目的としたものではありません。
本資料に記載された内容等については今後変更されることもあります。
過去の運用実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
本資料に記載されている市場関連データ及び情報等は信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、その情報の正確性、確実性について当社が保証するものではありません。
本資料は法務、会計、税務上のアドバイスを行うために作成されたものではありません。必要に応じて専門家とご相談ください。
本資料に掲載された各インデックスに関する知的財産権及びその他の一切の権利は、各インデックスの開発、算出、公表を行う各社に帰属します。
当社による事前承諾なしに、本資料の一部または全部を複製することは堅くお断り致します。
“Prudential”、“PGIM ” 、それぞれのロゴおよびロック・シンボルは、プルデンシャル・ファイナンシャル・インクおよびその関連会社のサービスマークであり、多数の国・地域で登録されています。
当社は、世界最大級の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、英国法人のプルーデンシャルplcおよび英国法人のM&G plcの子会社であるプルーデンシャル・アシュアランス・カンパニーとは何ら関係がありません。
プルデンシャル生命保険株式会社、ジブラルタ生命保険株式会社、PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)及びPGIMリアルエステートジャパン株式会社は当社のグループ会社であり、別法人です。
Collapse SectionPGIMJP129816 5571279-20260612