2025年4-6月期の米国株式市場は大幅な下落でスタートしたものの、最終的には力強い回復に転じ、四半期を通して大きく変動した。4月初旬には貿易摩擦の激化によって市場は混乱したが、その後の緊張緩和に加え、堅調な企業業績と好調なマクロ経済指標が相俟って反発に転じた。米国株式市場は、地政学的な紛争の激化にもかかわらず驚異的な回復力を示し、6月には過去最高値を更新した。
4月初旬、トランプ政権は世界各国に対して相互関税を課す計画を発表したが、その税率および関税の適用範囲は従来の予想を大きく上回る内容だった。その結果、グローバル株式市場は大きく混乱し、関税による景気減速への懸念が高まったことで、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降で最も大きく下落した。そのわずか1週間後、トランプ政権が当初の強硬姿勢を緩めると、それが市場にとっての転換点となった。相互関税の発動は一時停止され、トランプ政権は貿易相手国との交渉を開始した。最も重要なこととして、米中間の協議によって報復関税を巡る論争が後退したことで交渉による解決に向けた楽観的な見方が広がり、市場の上昇を後押しした。
また、引き続き好調な企業収益、安定した失業率、関税への懸念にもかかわらず抑制されたインフレ率など、その他のマクロ経済指標も好調を維持している。数ヵ月にわたって厳しい状況にあったAI関連株に対する楽観的な見方が再燃し、テクノロジーセクター(特に超大型株)は力強く上昇した。これらの要因と貿易摩擦の緩和が相俟って、中東での紛争が激化する中でも市場は全般的に力強い回復を示した。
こうした中、報復関税の発表によって下落したS&P500インデックスは、4月8日以降は過去75年間で最も急速な回復に転じ、6月末には史上最高値を更新した。
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