2025年7-9月期の米国株式市場は、AI開発の勢いが持続していることと底堅い企業収益が牽引役となり、力強く上昇した。また、大方の予想通り、9月の会合で米連邦準備制度理事会(FRB)が25bps利下げを決定したことも市場のさらなる追い風となった。政策を巡るリスク、経済の不確実性、株式市場のバリュエーションに対する懸念にもかかわらず、全ての主要株価指数は史上最高値を更新して当四半期を終えた。これは、投資家の信頼感とリスク選好を反映している。
投資家が革新的なテクノロジーおよびAI関連銘柄の投資機会を模索し続ける中、ナスダックとラッセル1000グロース・インデックスはともに広範な市場をアウトパフォームした。また、全体的に当四半期のマクロ経済環境は良好だった。FRBは、労働市場の軟化と経済の減速を示す指標が発表される中、2024年9月以来となる政策金利の引き下げを実施した。ただし、多くの経済指標がやや低調だったとはいえ、実質GDP成長率と個人消費は引き続き好調だった。地政学的な緊張の高まりは、関税を巡る不確実性が部分的に解消されたことによって緩和されたものの、特に金利変動の影響を受けやすい分野や世界貿易に晒されている分野において、セクター別の好不調や市場のボラティリティは、引き続き報道に大きく左右されやすい状況が続いた。
情報技術は、大型株が牽引役となって他の全てのセクターをアウトパフォームし、良好なパフォーマンスに最も大きく寄与した。また、コミュニケーション・サービスも、AI関連の成長テーマに対する投資家の持続的な関心が追い風となり、一般消費財とともに好調なリターンを示した。また、広範な市場において企業収益が前年比で増加し、これがアナリスト予想を上回る水準だったことにより株価バリュエーションが下支えされたことが、好調なパフォーマンスの支援材料となった。
年末に向けて、潜在的な経済の逆風や政策の不確実性には注視が必要となる。7-9月期には、市場はこれらの懸念をほぼ材料視せず、テクノロジー関連株主導の上昇によって広範な株式市場が史上最高値へと押し上げられた。
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PGIMJ123751 4937558-20251028