金融政策

利上げサイクル終了を視野に入れるFRB

2023年7月27日

  • 7月25-26日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備制度理事会(FRB)は、更なる利上げの可能性を残しながらも、利上げサイクルの終了が極めて近いことを示した。以下に示すパウエル議長のハト派姿勢は、時間の経過とともに重要性が増すと考えられる。

 

  • 第一に、パウエル議長は、2%のインフレ率が最終目標ではあるものの、目標を上回るインフレ率が利下げの障害にはならないことを強調した。2024年にかけてインフレ率が減速し続ける限り、今後FRBは労働需給の均衡を判断する必要があるだろう。実際、労働需給は均衡に向かい、年明けにかけて最初の利下げは十分可能とPGIMフィクスト・インカムは考えている。但し、本格的な緩和サイクルではなく、「微調整」になると予想しており、経済に対する抑制緩和を目的とした50~75bpsの利下げにとどまると見ている。

 

  • 第二に、パウエル議長は実質金利について言及した。FRBは名目ベースで約550bpsの引き締めを金融システムにもたらした結果、実質政策金利は世界金融危機以降で最も高い150bpsの水準にある。インフレ率が低下するにつれ、これが経済全体への大きな下押しになると考えられる。

 

  • 声明文は6月から大きな変更はなく、声明文の発表から記者会見の大半を通じ、金利とリスク資産ともにほぼ横ばいで推移した。インフレ率が2%目標に達する前であっても利下げはあり得るとのパウエル議長の発言を受けて、一時的に短期金利は低下し、リスク資産は強含んだ。

 

  • 重要なことは市場が安定推移したことであり、これが債券市場の追い風となる可能性がある。FRBや主要先進国の利上げサイクルが終了に近づくにつれ、政策ミスに対する市場の懸念も後退するだろう。こうした中、債券市場全般のボラティリティは低下し始め、過去数四半期に亘って見られてきた利回り追求が継続する可能性は高い。これは、相対的に高く安定した利回りを背景に、稀にみる強気相場の初期段階を迎えているとのPGIMフィクスト・インカムの見方を裏付けている。FRBによるインフレ目標の達成は最終的に金利低下をもたらすと見られるが、今回の強気相場では、これまでのようなボラティリティを伴う展開というよりも、高水準のインカムを背景に早い段階から高いリターンがもたらされると見ている。

 

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