米国経済は4-6月期も引き続き底堅く推移した。好調な個人消費と賃金上昇が、年初の3.5%から3.7%への僅かな失業率上昇の悪影響を相殺した。4-6月期の米国の工場受注額は小幅なプラスとなった一方で、製造業購買担当者景気指数(PMI)は拡大を示す50を引き続き僅かに下回る水準にとどまった。経済の健全性を示すデータは強弱入り混じる状況にあるが、 米国連邦準備制度理事会(FRB)による当四半期中の金融引き締めは25bps1回の利上げにとどまり、投資家は利上げペースの減速を好感している。過去3ヵ月のFRB理事によるコメントは、インフレ抑制策の必要性を引き続き強調しつつ、過去1年半にわたる利上げの効果を待つ必要性や名目インフレ率の前年比上昇ペースが鈍化しているとの認識を示すものであった。また、企業収益は年初時点の見通しから改善し、堅調に推移した。米国株式市場は4-6月期に上昇し、中でも当四半期を通じ成長企業は2023年初頭からの好調を維持した。こうした中、S&P500®インデックスは8.7%、ラッセル1000グロース・インデックスは12.8%上昇した。
1-3月期における銀行の経営破綻を背景に、小規模銀行からの顕著な預金の流出が続いた。但し、米国連邦預金保険公社(FDIC)が、経営破綻した金融機関(シリコンバレー銀行、ファースト・リパブリック銀行、シグネチャー銀行)に関し、FDICが預金保険の限度額としている25万米ドルを超える預金についても全額保証する措置を講じたことから、預金流出ペースは緩和された。こうした措置によって預金者と投資家はともに落ち着きを取り戻した一方、多くの銀行のバランスシートにおいて資産と負債の均衡が取れていないという根本的な問題は解決されなかった。
昨年11月のChatGPTの立上げを契機に、AIを取り巻く状況は、変革的な技術革新の到来に対する期待感を一層高める形となった。AIや機械学習機能構築向け基盤部品を供給する企業への投資家の関心が急速に高まり、一部の半導体企業やソフトウェア企業の株価が上昇した。こうした中、様々な企業や業界に跨がり、このような新技術の応用により多大な恩恵を受ける企業・業界と、脅威が及ぶ可能性のある企業・業界を巡り様々な形で議論が続いている。
中国経済は、ゼロコロナ政策の終了以後は回復基調を辿り、世界経済の成長見通しを押し上げたが、国内不動産市場の低迷とそれが消費者層の購買力に与える悪影響が引き続き懸念材料となっている。
欧州では、ロシア・ウクライナ紛争による混乱が続く中、利上げペースが加速した。これらを背景に欧州の経済成長期待は低水準にとどまったが、個人消費は堅調な伸びを示した。
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