エマージング市場

エマージング国への見方:国民の空腹を満たすことなく繁栄する国はない

2023年4月21日

2022年2月に発行した「エマージング国への見方:最近の食料品価格の高騰とそれによる政情不安に対する脆弱性を検証する」では、新興国においては消費者物価指数(CPI)に占める食料品の割合が相対的に大きいため食料品価格の上昇がインフレ高騰につながりやすく、これによる社会不満の高まりが政情不安をもたらす可能性がある中、各新興国がどの程度こうしたリスクに晒されているのかを検証した。今回のレポートでは、足元の状況を確認しつつ、新たな変数を使って、こうしたリスクに脆弱な新興国を再検証する。

 

<結論>
  • PGIMフィクスト・インカムの分析によると、社会経済の状況と政治的安定性の間に明確な関連性があることが示唆される。
  • 新興国の信用力分析の一環として、食糧安全保障などの変数にも注意を払いつつ、社会経済および政情について注視することが重要だと考えられる。
  • 食糧安全保障を巡る問題を抱えておらず、政治的安定性も高い国には、レラティブ・バリューに基づいた潜在的な投資機会があるとPGIMフィクスト・インカムは見ている。

 

<主なポイント>
  • ロシア・ウクライナ紛争が継続する中、食料品と肥料の価格はピーク時よりも下落しているとは言え、依然として歴史的な高水準にある。また、不安定な原油価格と悪天候による不作も食料品価格を押し上げる要因となっている。
  • 歴史的に高水準な食料品価格によって家計の購買力は低下している。低下した購買力の回復には所得の増加が必要となるが、今後数ヵ月にわたって新興国経済は減速すると予想され、十分な所得増を見込みにくい。こうした中、物価高騰、不十分な所得水準、食糧安全保障を巡る不確実性を背景とした社会的不満の高まりを受けて、新興諸国は財政出動、債務再編、更には政権交代が起こる可能性がある。
  • こうした社会的な課題に最も脆弱な新興国を特定するため、PGIMフィクスト・インカムは各国のインフレ率、失業率、食料不安を指標化し、これらと世界銀行による「政治的安定と暴力の不在指数」を変数として分析を行った。この分析によると、最も脆弱な新興国の中には複数のアフリカ・サハラ砂漠以南の国が含まれ、最もリスクの低い新興国の中にはコスタリカやカタールなどが含まれた。

 

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