The Outthinking Investor

AI時代の半導体向け米国産業政策

エピソード9
2026年8月24日

世界を動かす力を、大局的な視点で読み解くPodcast『The Outthinking Investor』。

PGIMのチーフ・グローバル・エコノミストであるダリープ・シンが、各分野の第一線で活躍する専門家を迎え、いまとこれからの世界経済・国際秩序を読み解いていきます。

動画の要点

AI設備投資は、この100年で最大級の投資テーマになりつつあります。大手ハイパースケーラー5社のAIインフラ投資は年間8,000億ドル近くに達する見通しで、その中心にある半導体は、AIモデルだけでなく精密誘導兵器や衛星通信も支えています。半導体の最先端を制することは、経済的優位と安全保障上の選択肢を同時に左右します。本エピソードでは、米国CHIPSプログラム・オフィス初代責任者を務めたマイク・シュミット氏を迎えます。500億米ドル超の支援策を、実際に稼働する半導体工場へ変える現場で何が起きたのか。TSMC、インテル、サムスンなどの投資成果から、工場建設、人材、電力・水、産業クラスター形成の難しさまで掘り下げます。

産業政策は、どの失敗を許容し、どの戦略的失敗を避けるべきなのか。求めるのは市場の「優位」なのか、それとも危機や地政学的威圧に耐える「強靱性」なのか。そして政府が企業の株式を保有するとき、安全保障という目的は曖昧にならないのか。AI時代の産業政策を、立法と実行の両面から考えます。

  1. AI設備投資は過去100年でも最大級の投資テーマです。半導体はAI学習における主要パーツであり、いまや経済と安全保障の双方に関わっています。
  2. CHIPS法は500億ドル強の支援策で、製造インセンティブ390億ドルのうち340億ドルが拘束力のある契約としてシュミット氏のもとでとりまとめられました。
  3. CHIPS法成立後の米国の半導体製造投資は、それ以前の30年間の合計を上回りました。アリゾナでは最先端チップの生産も始まっています。
  4. 最先端Fabは1棟で約250億ドル、建設には3~5年を要します。装置だけでなく、建設人材、技術者、電力、水、周辺企業などといった複合要因の集積が生産能力を左右します。
  5. 産業政策では、個別案件の失敗をゼロにするより、何もしないという戦略的失敗を避ける視点の重要性について語られます。
  6. 供給網の強靱性は、緊急動員、地政学的威圧、予測不能なショックを分けて考える必要があります。既存の国内生産能力は、最も強力な備えの一つです。
  7. 政府の株式保有は、利益獲得と安全保障の目的を曖昧にするおそれがあります。産業政策は、投資収益ではなく安全保障上の成果を基準に設計すべきかについて議論します。

※日本ではPGIMジャパンのウェブサイトを通じて、動画付きのPodcastとして配信しています。

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