プライベート・クレジット・シリーズ:パート2

資金提供の先へ:ダイレクト・レンディングの次なる局面

投資機会へのアクセスが次の局面の成否を分ける

ダイレクト・レンディングの転換点

  • ダイレクト・レンディングの次の局面での成功のドライバーは、これまでの成長の第一段階とは異なる可能性がある。
  • 潤沢な資金が提供されるようになり、正しい投資機会へのアクセスの重要性が増している。
  • 投資の対象は、従来のようなスポンサーの後ろ盾が付いたローンの枠を超えて裾野が広がっている。

ダイレクト・レンディングは急速な拡大を遂げ、現在では多くの機関投資家のポートフォリオにおいて、中核的な資産クラスの一つとなっている。かつては銀行融資を補完するニッチな資金調達手段とみられていたが、今や規模と専門性を備えた市場へと発展している。

この資産クラスが成熟するにつれ、その成長を支える要因も変化し始めている。市場競争が激化する一方、イノベーションによって投資家のアクセス手段は広がり、投資機会は従来の主要市場を超えて地理的にも拡大している。

こうした変化を受け、投資家には、プライベート・クレジットでどのようにリターンを獲得し、リスクを管理するかを改めて検討することが求められている。市場が次にどこへ向かい、何が将来のパフォーマンスを左右するのかを理解することは、これまで以上に重要となっている。

ダイレクト・レンディング市場の構造

出所: KBRA、Cliffwater、AIMA、S&P Global、Moody’s、Macquarie、国際決済銀行(BIS)、2025年12月時点

負けないことで勝つ

ダイレクト・レンディングは、シンプルな前提から始まる。それは、流動性が限られる状況では、ダウンサイド・プロテクションがより重要になるということだ。流動性が限られる資産クラスでは、規律ある引き受け、底堅いキャッシュフロー、強固なコベナンツによる保護が極めて重要となる。

機関投資家にとってのリスクは、単に特定のセクターを過度に保有することだけでなく、複数の運用マネジャーを通じて同じ「混雑した投資テーマ」に偏ってしまうことにある。広範なスポンサー付きローン/スポンサーなしローンの借り手にエクスポージャーを分散させることは、こうした重複によるリスクの軽減に役立つが、そのためには全てのチャネルにおいて一貫した引き受け規律が維持されることが不可欠となる。

 

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出所:Pitchbook LCDによる”U.S. Leveraged Loans Quarterly Trendlines”、2025年9月時点。

資産配分の基準

ダイレクト・レンディングに資産配分する際には、表面的な利回り以外の要素も考慮する必要がある。投資家が得ているのは単なる上乗せスプレッドではなく、流動性と引き換えに、パブリック市場ではアクセスすることが難しい借り手企業への投資機会を獲得していることになる。ダイレクト・レンディングが伝統的な債券投資の代替であると同時に補完としても活用されるようになる中、こうした特性の重要性は増している。

投資家がこの資産クラスにアクセスする際のストラクチャーも重要な要素となる。投資家によっては、原資産となるローンのリスク・リターン特性をそのまま引き受ける「ホールローン」へのエクスポージャーを求める場合もあれば、リスクの度合いによって区分されたシニア・トランシェやミドルマーケット向けCLOなど、的を絞った投資を選好する場合もある。

出所: PGIM。この図は例示のみを目的としたものです。図示された相対的な位置付けは方向性を示すものであり、特定の戦略または商品の期待リターン、リスク評価、流動性特性を示すものではありません。

実行力が成果を左右

ダイレクト・レンディング市場が進化する中、貸し手がどのように投資機会へアクセスし、引き受けを行うかが、重要な差別化要因となっている。

幅広いオリジネーションのネットワーク、各地域・市場に関する深い知見、そして規律あるクレジット分析は、複雑化する市場環境を乗り切る上で不可欠である。

流動性が限られる資産クラスでは、取引を慎重に組成し、ダウンサイド・リスクに備える能力が長期的な投資成果を左右する。ダイレクト・レンディングの次なる局面では、リターンを獲得する力だけでなく、重大な損失を回避する力も成功の鍵となる。

ケーススタディ:地域に根差した案件開拓と長期的な融資規律

欧州のある家族経営企業は、複数の事業体にまたがる複雑な資本構成を抱え、長年にわたり分散した銀行融資に依存していた。

PGIMは、同社の状況に合わせた資金調達ソリューションを提供することで、借入構造の簡素化と複雑性の軽減を図り、同社の長期的な事業戦略を支援した。

地域に根差した関係構築を重視するアプローチは、その後の追加的な資金提供を含む継続的な投資機会にもつながった。この事例は、現地でのオリジネーション能力が、従来の資金調達チャネルではアクセスが難しい独自案件の発掘につながり得ることを示している。

 

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