景気サイクル後半の投資手法

何が変わったのか、リスク削減の判断をどう見直すか

過去10年間に、米国経済が景気後退の瀬戸際に立ちながら踏みとどまったことは何回あっただろうか。その回数は従来の定石が想定するよりも多く、この食い違いが本リサーチの出発点である。PGIMは、景気サイクル後半の経済が、これまでのモデルの想定よりも長く続き、より頻繁に行き来するようになった理由を検証した。そこから導かれたのが、新たな仮説である。投資判断に生かせるほどのリスク資産の下落にとって最も重要な前提条件は、景気後退の確率ではなく、ポジショニングである。

本リサーチでは、ポジショニングの目安として「トレンドを上回る期間(TAT)」の枠組みを紹介し、S&P500とMSCI新興国株指数を対象に、反転シグナルに基づくストラテジーを検証する。さらに、得られたシグナルを二者択一の配分判断として扱うのではなく、グローバル戦術的資産配分の枠組みの中で、戦術的に配分を傾ける形で実行する方法を説明する。

 

重要なポイント
  • 経済には自らを調整する仕組みが数多く備わっており、拡大と減速の間にある景気サイクル後半の状態にとどまりやすい。
  • 投資判断に生かせるほどのリスク資産の下落が起きるには、ポジションが一方向に大きく偏っていることが重要な前提条件となる。ポジションが大きく偏る前にリスクを減らすと、相場の上下に繰り返し振り回されるおそれがある。
  • 経済がトレンドを上回るペースで成長している期間の長さは、リスク資産のロング・ポジションの大きさを測る良い目安になる。過去には、経済がトレンドを上回る状態が長く続いた後に、リスクを減らすのにより有利な機会が生じる傾向があった。

著者

Marco Aiolfi/マルチアセット責任者

Manoj Rengarajan/ポートフォリオ・マネジャー

Jeffrey Young/投資戦略責任者

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