PGIMジャパンは2026年9月3日、「海外不動産投資戦略における今注目のテーマ/セクター」と題したセミナーを開催いたしました。本レポートでは、このセミナーのポイントについて紹介いたします。
<プログラム>
第一部:グローバル不動産市場見通し
PGIMジャパン グローバル資産運用部 プロダクト・スペシャリスト 片渕 佑樹
第二部:テーマ別投資(シニアハウジング/データセンター)
PGIMジャパン グローバル資産運用部 エグゼクティブ・ディレクター シニア・プロダクト・スペシャリスト 川瀬 千枝
PGIMジャパン グローバル資産運用部 マネージング・ディレクター チーフ・プロダクト・スペシャリスト 有村 政基
第三部:不動産デットの投資機会
PGIMジャパン グローバル資産運用部 エグゼクティブ・ディレクター シニア・プロダクト・スペシャリスト 川瀬 千枝
PGIMジャパン グローバル資産運用部 マネージング・ディレクター チーフ・プロダクト・スペシャリスト 有村 政基
米国の代表的な不動産指数であるNPIの年率トータルリターンを振り返ると、2000年以降はリーマンショックを除き、不動産は安定したリターンをもたらす資産クラスでした。しかし、コロナ禍以降の大幅な金融緩和とその後の金利上昇により、2021年は20%超のプラスとなった一方で2023〜2024年は10〜20%程度のマイナスとなるなど、ボラティリティが大きく高まりました。今後は米国10年国債利回りが現在の水準から急低下するような局面は想定しておらず、賃料から得られるインカム収入と賃料成長が主なリターンの源泉となり、1桁台後半のリターンになると見込んでいます。
不動産のキャップレートと、PGIMがリスクフリーレートとして適切だと考える米国10年国債利回りの長期予測を比較することで、現在の不動産価格の水準を評価できます。この長期予測は、フィラデルフィア連銀がサーベイに基づいて公表しているもので、不動産利回りとの相関が高いとのPGIMの分析を踏まえ、不動産価格の水準を評価する際の比較の対象としています。2021年は、長期予測が2%近傍まで低下した一方で不動産利回りの低下は限定的だったことから、大幅なプラスのリターンとなりました。その後、インフレは一時的ではないとの見方が広がり、2023〜2024年にかけて長期予測が大きく上昇しましたが、賃料の上昇もあり不動産利回りの調整は遅れ、スプレッドが縮小しました。相応のリスク・プレミアムが必要との見方から、その後不動産利回りは上昇しました。足元のスプレッドは過去25年間の長期平均を下回る水準にあり、現在の不動産価格は金利対比で割安とは言えないものの割高でもなく、フェアバリューに近い水準にあると考えています。
米国の消費者物価指数(CPI)は2026年に入り、中東情勢の悪化を受けた商品価格の上昇から高まっています。ただし、今後は2%に向けて緩やかに低下していくとみています。米国10年国債利回りは上昇していますが、2023~2025年にかけても4.5%近くまで上昇した局面があった一方で3.5%近くまで低下する局面もありましたので、中長期のレンジを上抜けしたとは言い切れないと考えています。政策金利の今後の動向は非常に重要となりますが、5~6%のターミナルレートが織り込まれていくような局面にはなく、長期予測が足元の水準から大きく上昇する展開は想定していません。
主要物件タイプ別の賃料成長見通しについては、2010年代はEコマースの拡大を背景に物流施設(インダストリアル)が突出して高い伸びを示しました。一方、今後は物件タイプ間の差が縮小し、オフィスと商業施設が2%程度、賃貸住宅と物流施設が4%程度の賃料成長を見込んでいます。ただし、オフィスにも優良物件とそうでない物件があり、商業施設にも大型ショッピングモールがある一方で、食品スーパーを核テナントとする良好なパフォーマンスを示す物件タイプもありますので、こうした優良な物件を選別できれば、4%近くの成長も期待できると考えています。重要な点は、かつてのように物件タイプによってリターンに大きな差が生じる局面ではなくなり、いずれの物件タイプからも相応のリターンを獲得できる環境にあるということです。
こうした賃料成長を支える最大の要因として、物件の供給不足が挙げられます。建設に必要な材料費や人件費を指数化した建設コスト指数は、2020年以降急速に上昇しており、実際に延期や中止となった開発プロジェクトも見受けられます。こうした建設コスト上昇を背景とした物件の供給減は、グローバルなトレンドとなっています。許認可の動向から予測される世界の不動産供給増加率は、1980〜1990年代の年率3%程度、2010年代の2%程度から、今後はさらに1%程度まで低下する見通しです。
不動産タイプ別のレバレッジ前リターン予想に関しては、シニアハウジングやマニュファクチャードハウジングといった非従来型セクターが相対的に高いリターンを得られるとみています。シニアハウジングについては、米国の人口動態の変化として、ベビーブーマー世代が高齢層に差し掛かっていることに加え、足元の株高を背景に資産を保有する高齢者が増えており、賃料の引き上げが受け入れられやすい環境にあります。マニュファクチャードハウジングは、住宅価格の上昇と金利の高止まりで住宅取得が難しいなか、工場で製造された低コストの住宅を賃借地に建てることによって相対的に安価な賃料で居住できるコミュニティ施設として米国で広がりを見せています。データセンターについては、AIやクラウドの利用が日常生活に欠かせないものとなるなど、テクノロジーの変化の中で必要不可欠となっている物件タイプであり、供給も依然として不足していることから、引き続き高いリターンを獲得できると考えています。
高齢化はグローバルに進行していますが、特に米国では今後10〜20年にかけて、その影響が大きく顕在化します。1946〜64年生まれのベビーブーマー世代は現在62〜80歳に達しており、最年長層がシニアハウジングを必要とする年齢に差し掛かっています。高齢者人口は今後25年間で1,600万人増加して1.6倍となり、今後5年間でも500万人の増加が見込まれます。高齢者の約7%がシニアハウジングに入居すると試算されることから、5年間で35万人分の需要が生じ、仮に全員が夫婦二人で入居するとしても18万室の追加供給が必要となる計算です。
加えて重要なのが保有資産です。ベビーブーマー世代は、これまでの米国の高齢者と比べても豊かな世代であり、一人当たり平均で約1.5億円の資産を保有して退職を迎えるとされています。したがって、高齢者人口の増加のみならず、シニアハウジングの浸透率の上昇も見込まれます。浸透率は賃料負担力に大きく左右されますが、資産・収入と賃料のバランスから、高齢者人口の35%が賃料を負担できる資産を有すると試算しており、浸透率が現在の約7%から10%へ上昇する余地があります。
シニアハウジングの費用は、月額100万円程度の賃料にその他の生活費を加えると年間1,700万円程度とされますが、平均1.5億円の資産があれば長期の入居が可能です。また、供給不足で賃料が上昇しても負担できる力があることから、過去平均で年率3%程度だったシニアハウジングの賃料成長率は、今後は全米の広範な市場で4〜6%と、他セクターと比べても力強い水準が期待できます。
一方、供給は不足しています。シニアハウジングはオペレーショナル不動産と呼ばれ、人件費を中心とする運営費用がかかるため、運営能力に優れたオペレーターとの協業が不可欠です。2020〜2022年末頃にかけては人件費の高騰で運営が厳しくなった物件やオペレーターがあり、パフォーマンスは軟調に推移しました。こうしたなか、不動産開発会社がシニアハウジングを避ける傾向もあったことから、新規供給は減少しており、需給は非常にタイトです。これは投資家にとって、力強い賃料成長が期待できる背景となります。
シニアハウジングのパフォーマンスは2022年末頃まで軟調でしたが、その後は他の不動産セクターが緩やかに回復するなか、構造的な需要拡大を背景に力強い推移を示しています。PGIMは1998年、米国で初めてとなるシニアハウジング特化型の戦略を立ち上げました。当時は物件が大幅に不足しており、新規開発・稼働後に売却するクローズドエンド型のバリューアッド戦略でした。その後、オペレーターは長期的な運営を志向し、長期保有する運用会社との協業を求めるようになり、投資家側にも長期投資への需要が高まりました。こうした双方の需要を踏まえ、PGIMは2026年、オープンエンド型の戦略を立ち上げ、長期的にシニアハウジングに投資する体制を整えています。
PGIMが主に投資対象としているのは、プライベートペイと呼ばれる領域です。これは自治体の補助金に頼らず、入居者の支払う家賃で運営費用を賄う業態であり、規制や自治体の方針変更といったコントロール不能な要因を排除しつつ、入居者のニーズに応えるサービスを通じて良好なパフォーマンスを目指すものです。これには、インディペンデントリビング、アシステッドリビング、メモリーケアの3つのサービスが含まれます。インディペンデントリビングは自立して生活できる高齢者向けで、入居者は介護が不要であっても80歳を超えると負担が増す自宅の維持管理や掃除、料理から解放されます。また、必要に応じて入浴、食事、着替えなどを支援するアシステッドリビングのサービスが提供され、認知症の高齢者にはメモリーケアのサービスも用意されています。PGIMは、これら3つのサービスを包括的に提供できる物件に注力しています。こうした物件はライフステージが変わっても入居を継続できるため、稼働率と賃料成長が下支えされると考えています。
物件の選別においては、仕様と立地を重視しています。仕様面では、食堂やプール、多様なアクティビティのプログラムなど、老後を快適に過ごすための設備が備わっているか、立地面では、賃料負担力のある高齢者が安定的に増加する地域に所在しているかを見極めます。加えて、運営を担うオペレーターの選定も極めて重要です。運営費の約4割を人件費が占めるため、スタッフの確保と優秀な人材の定着、経費のコントロール、入居者の満足度の維持が鍵となります。PGIMは約28年にわたりシニアハウジングの運用を手がけ、各地域で最良のオペレーターとの関係を築いてきました。高齢化と賃料負担力の高まりが進む一方で供給は不足しており、構造的な追い風を受けるこの物件タイプは、今後も力強いパフォーマンスが期待できると考えています。
データセンターは、私たちの生活を支えるデジタルインフラに不可欠な要素となっています。世界のデータセンターの処理容量に対する需要は大きく高まっており、従来型のクラウドや事業継続計画(BCP)関連の需要に加え、足元ではAI関連の需要が大きな牽引役となっています。AIの学習には大きな処理容量が必要ですが、学習を経たAIをアプリケーションとして利用する推論もまた多くの処理容量を要し、今後はAI推論向けが全体の3〜4割を占めると予想されています。地域別では、米国が最大の市場となる一方、アジアや欧州でも需要は右肩上がりに増加する見込みです。
こうした需要の伸びに対し、供給は追いついていません。他の不動産と同様に、建設コストや人件費、借入金利の上昇が逆風となっていることに加え、データセンターでは電力の供給不足もボトルネックとなっています。その結果、北米の既存データセンターの空室率は1%前後という逼迫した状況にあり、賃料は上昇を続けています。また、最近では電力価格の上昇や環境への影響を懸念する反対運動が米国で起こり、建設が中止に追い込まれるケースも出ています。これは成長にとっての悪材料である一方、供給がさらに減少すれば既存物件への需要が一段と強まり、賃料を引き上げやすい環境につながります。
データセンターは、パワードシェル型とターンキー型に大別されます。パワードシェル型は、建物に加えて利用可能な電力や回線などのインフラが敷地まで確保されているデータセンターで、オーナーが建物の建築と電力の引き込みを担い、テナントが発電機、冷却設備、サーバーやそれを搭載するラックなどを自由に設計します。一方、ターンキー型は、建物に必要なインフラがすべて整備され、鍵を差せばすぐに稼働できる状態となっているデータセンターです。
PGIMは以前、パワードシェル型のデータセンターに投資していました。当時はクラウドの需要がまだ少なく、BCP関連や企業のサーバーを外部に移管する需要が主流でした。この投資は一旦終了しましたが、最近になってデータセンターへの投資を再開しています。足元では主にターンキー型を対象としており、特に大規模データセンターにおいて、オーナーが電力の引き込みと建物の建設を担うとともに、内部についてもテナントのニーズを踏まえて設計し、最後にテナントがサーバーを持ち込んで稼働させる形態に投資しています。なお、パワードシェル型とターンキー型に大別されるとはいえ、実際には中間的なハイブリッド型となる場合もあります。
規模別では、データセンターは3つに区分されます。一つ目は、BCP関連や自社サーバーの外部移管を目的としたリテール向けで、複数のテナントが入居するケースが多く、消費電力もそれほど大きくありません。二つ目は、主にAIの大規模言語モデルの学習に使われるより大きなデータセンターで、足元では100メガワットを超える電力を必要とするものも出てきています。三つ目は、クラウドや学習を経たAIをアプリケーションとして利用するためのハイパースケールと呼ばれるデータセンターで、500メガワット超の電力を要するものも登場しています。
また、遅延度という尺度でも区分できます。データセンターとユーザーとの距離が遠いほど処理に時間を要し、遅延度が高くなります。AIの学習はユーザーと頻繁にデータをやり取りする必要がないため、消費電力や利用可能な土地を考慮し、最終消費地や大都市から離れた場所に設置される傾向があります。一方、クラウドやAI推論は頻繁なコミュニケーションが発生するため、大都市や最終消費地に近接した立地が求められます。アジアのデータセンター市場で重要な位置を占めている日本では、低遅延データセンターについては、首都圏では千葉県印西市、関西圏では大阪府茨木市などが中心地となっている一方、高遅延データセンターについては、北海道などに設置されています。
PGIMは、グローバルなデータセンターに対して投資を行っていますが、最も需要が伸びているハイパースケール型の開発に注力するとともに、データセンターの仕様が目まぐるしく進化するなかで陳腐化リスクを回避するため、長期投資ではなく比較的短い期間での投資を重視しています。また、デジタルリアルティ、エクイニクス、NTTなど、特定のオペレーターに依存することなく、状況に応じて最も適切なオペレーターと協業する「オープンアーキテクチャー」のコンセプトを採用しています。投資対象は米国、アジア、欧州にわたるグローバルな主要市場であり、需要が非常に強く、建設すればテナントの需要が見込める市場に焦点を当てています。実際、PGIMが投資する案件では、建設中で未完成の物件であっても、多くの案件で既にテナントが決まっている状況です。
不動産デット投資は地域性が強い分野であり、米国、欧州、アジアそれぞれの市場に適した戦略とリスク・リターンの取り方が、良好なパフォーマンスを上げるうえで重要だと考えています。地域特性の背景にあるのが、貸し手に占める銀行の比率です。アジア太平洋では銀行が9割を占める一方、米国では4割を下回り、銀行以外の貸し手による市場が大きく発達しています。米国では幅広い投資機会がある反面、競争も激しくなっています。欧州では、英国でリーマンショック後のバーゼル規制対応を背景に銀行の不動産融資が減少し、ノンバンクの不動産デットファンドへの投資機会が増えており、大陸欧州もやや遅れて同様の傾向にあります。アジア太平洋では、全体的に依然として銀行が積極的に融資を行っていますが、オーストラリアは銀行の不動産融資が減少しつつあります。
米国は、開発もリノベーションも活発で、バリューアップを重ねながら長期運用を続ける仕組みが整っていますが、リターン目線の高い投資家が多く競争も激しい市場です。こうしたなかでは、ブリッジローンやトランジションローンに最も大きな投資妙味があるとみています。欧州は歴史的建造物が多く建築規制やESG規制が厳しいため新規開発や改修が難しく、古い建物の陳腐化リスクが高い市場です。そのため、不足する物件の開発や大規模改修に融資する不動産ファンドに投資機会があり、米国より競争が少なくスプレッドを確保できる点も魅力です。オーストラリアは、人口、雇用、所得がいずれも伸びるなかで不動産需要が高まっており、その供給を支える不動産デット戦略に機会があるとみています。
米国の不動産デット戦略は、ブリッジローンやトランジションローンを中心に、貸出期間は2〜4年程度、多くは変動金利で、物件価値に対する貸出比率(LTV:ローン・トゥー・バリュー)は75%程度を上限としています。また、そのローンを担保に銀行から借り入れることで資金効率を高めており、これはバックファイナンスやバックレバレッジと呼ばれます。貸出規制が厳格化するなか、銀行は金利上昇に伴う不動産価格の下落で含み損を抱えるポジションもあり、貸出を伸ばしにくい状況にあります。自ら担保を取って貸し出すよりも、信頼できるファンドの後ろに回って資金を供給する方がリスクウェイト上の負担が軽いため、バックファイナンスに積極的な銀行も多く、ファンドにとって活用しやすい環境となっています。
ブリッジローンとは、不動産開発時に銀行などから借りたローンの返済が必要となる一方、物件のフル稼働までにはなお時間を要する場合に、当面の必要資金を「つなぎ」として融資するものです。貸出規制の厳しい銀行はフル稼働していない物件への融資が難しく、ファンドからの融資が有効な資金調達手段となります。安定稼働後は、保険会社、銀行、政府系機関などから資金を調達できるようになるため、その資金でファンドからの融資を返済、あるいは物件を売却して売却代金で返済してもらうことになります。トランジションローンは、築古物件のリノベーションによって価値を高め、賃料を引き上げた上で、安定稼働後に同様の形で返済を受けるものです。
PGIMは米国で毎年3兆円近い資金を不動産担保ローンとして貸し出しています。セカンダリー市場でのローン購入や銀行のシンジケーションへの参加ではなく、自ら案件を発掘してローンを組成している点が大きな強みであり、他の運用会社と大きく異なるところです。PGIMが不動産デット戦略の運用を開始して以降、コロナ禍とそれに伴うベース金利ゼロの局面、その後のインフレ高進による金利上昇と不動産価格の急落といった様々な局面を通じ、非常に安定したリターンを獲得してきました。その最大の要因は、実行額が年間3兆円であるのに対し、検討段階ではその10倍程度の案件を検証していることにあります。目の前の数件を精査するのではなく、膨大な案件の中から優良なものを選別できる点が差別化要因となり、良好なリターンにつながっていると考えています。
PGIMは、より大きなリターンを狙った賃貸住宅に特化した不動産デット戦略も提供しています。不動産担保ローンで最も重要なのは満期時に確実に返済されるかどうかであり、同戦略では満期時に政府系機関から確実な資金調達が見込める案件の選別に注力しています。米国の政府系機関による貸付は、金融機関が代理で行うために厳格な審査を経た認可が必要であり、PGIMはファニーメイとフレディマックの双方から認可を取得している数少ない運用会社として、大規模なエージェンシーローンの提供が可能です。米国の収益不動産向けローンの約半分を賃貸住宅が占めており、安定した流動性の高い大規模な市場であることに加え、供給不足から需給面でも安定しています。こうした市場特性と案件選別を踏まえ、より広範な地域を対象に、より大きなレバレッジを活用しています。
欧州の不動産デット戦略は、供給不足という市場特性に着目し、今後必要となるコア不動産の開発に資金を振り向けています。欧州ではESG規制の一段の厳格化が見込まれ、ロンドンのオフィスの8割が今後10〜20年の間に賃貸も売買もできなくなるとのレポートもあります。こうした物件の建て替えや改修には年間60兆円程度の投資が必要とされる一方、規制強化により銀行の融資は難しくなっており、不動産会社や開発業者は銀行に代わる貸し手を求め、不動産ファンドへの需要が高まっています。
PGIMは、リーマンショック後の2010年に欧州で同戦略の運用を開始しました。それ以降、約17年間のネットワーク構築を背景に、足元で借り手に占めるリピーターの割合は約8割に達しています。主な借り手には、物流施設、学生向け住宅(ステューデント・ハウジング)、冷凍冷蔵倉庫の開発業者などが含まれます。
立地については、欧州最大の不動産市場である英国、フランス、ドイツを中心としつつ、イタリアやスペインで住宅や物流施設などのセクターに厳選して投資しています。PGIMは、立地、物件タイプ、借り手に関するリスクを抑える一方、最新鋭物件の開発リスクを取る方針としています。数年後に元本を回収する必要があるため担保価値の維持・上昇が重要であり、景気の影響を受けにくい収益基盤の強い物件を担保とする案件を選別しています。不動産価格は底を打ったと見られる一方で、地政学リスクなど多くの不確実性が残るなか、最新鋭の物件供給に融資をし、金利収入に基づく分配金を受け取る不動産デット戦略はリスク・リターンの面で魅力的だと考えています。
オーストラリアでは、人口、雇用、所得がいずれも伸びるなかで不動産需要が高まっている一方、欧州と同様に供給が不足しています。米欧と比べると市場規模は小さいものの、ファンダメンタルズが非常に力強いことがオーストラリア市場の特徴であり、今後も安定的な成長が見込まれます。人口や雇用の増加はあらゆる物件タイプへの需要増を示唆しており、所得の増加を背景とした賃料負担力の高まりも期待できることから、需要の力強さと成長余地が両立した市場といえます。また、日本や米欧との相関が低く、ポートフォリオにおいて分散の役割を果たせる点も特性の一つです。
オーストラリアでは、これまで銀行が不動産向けローンの主要なプレーヤーであったことから不動産デット投資は限定的にとどまっていましたが、欧州に追随するかたちで銀行が不動産担保ローンを減らしつつあるなか、PGIMはオーストラリアでも不動産デット戦略を立ち上げ、運用を開始しています。オーストラリアにおいては、広範な物件タイプで需要が高まっていることを踏まえ、様々な物件への分散投資を行う方針としています。
留意事項
本資料でご紹介している戦略への投資にあたっては、当社と投資一任契約を締結いただくことを前提としています。
本資料は、PGIMジャパン株式会社が2026年9月に開催したセミナーのサマリー報告および運用する戦略についてご理解いただくための情報提供を目的として作成されたものであり、特定の証券や金融商品等の販売・勧誘を目的としたものではありません。また、本資料に記載された内容等については今後変更されることもあります。
記載されている市場動向等は現時点での見解であり、これらは今後変更することもあります。また、その結果の確実性を表明するものではなく、将来の市場環境の変動等を保証するものでもありません。
本資料に記載されている市場関連データ及び情報等は信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、その情報の正確性、確実性について当社が保証するものではありません。
過去の運用実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
本資料は法務、会計、税務上のアドバイスあるいは投資推奨等を行うために作成されたものではありません。
書面による当社の許可なく本資料の一部または全部を複製することはお断り致します。
“Prudential”、“PGIM”、それぞれのロゴおよびロック・シンボルは、プルデンシャル・ファイナンシャル・インクおよびその関連会社のサービスマークであり、多数の国・地域で登録されています。
PGIMジャパン株式会社は、世界最大級の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であり、英国法人のプルーデンシャルplcおよび英国法人のM&G plcの子会社であるプルーデンシャル・アシュアランス・カンパニーとは何ら関係がありません。
費用について:
PGIMが運用を行う不動産投資戦略への投資にあたっては、PGIMジャパン株式会社と投資一任契約を締結していただくことを前提としています。
投資一任業務の対価として、投資顧問報酬(資産残高に対し最大 1.10%(税抜き 1.00%)*の逓減料率)が費用として発生します。投資顧問報酬については、契約資産の性質、運用方法、対象等に応じて、別途協議のうえ取り決めることがあります。
当社と投資一任契約を締結いただいた上で、PGIMが運用を行う海外籍のリミテッド・パートナーシップ等のビークルを通じて、PGIM の不動産投資戦略に投資を行う場合、当該ビークルの資産から間接的にご負担いただく運用報酬とは別に、投資一任契約報酬として最大 0.165%(税抜き 0.15%)が発生します。
上記投資一任契約報酬とは別に、保管等に係る諸費用が発生し、契約資産から控除されることがあります。これらの費用は運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額などを表示することができません。したがいまして、お客様が支払うべき手数料の金額の合計もしくはその上限を記載することはできません。
ビークルにかかる運用報酬は、ビークルにより異なりますので、金額およびその上限額を記載することはできません。ビークルの資産から間接的にご負担いただく運用報酬とは別にリーガル費用、ドキュメンテーション費用、監査費用等の諸費用が発生し、ファンドの受託資産から控除されます。これらの費用は、運用状況により変動するため、事前に具体的な料率・上限額を表示することができません。このように金額およびその上限額を記載することができない費用があることから、ファンドの受託資産から控除される形で投資家が実質的に負担する費用の合計額もしくは上限を記載することはできません。
金額及びその上限額を記載することができない費用があることから、お客様が支払うべき手数料の金額の合計もしくはその上限を記載することはできません。
記載の数値は当社が現在、投資一任業務で提供している運用戦略にかかる投資顧問報酬で最も高いものを記載しております。実際の投資顧問報酬は、個別の契約内容、受託資産残高等によって異なります。
リスクについて:投資一任契約に基づき当社が、PGIMが運用を行う不動産投資戦略に投資を行う場合、次のようなリスクが含まれている場合があります。以下のリスクにより元本欠損が生じる可能性または当初元本を上回る損失が生じる可能性があります。以下のリスクは、主なリスクであり、これらに限定されるものではありません。
国内または世界経済の悪化、地域市場やテナントの財政状態の悪化、物件の売手及び買手の数の変動、物件の需要供給バランス、融資の供給状態、金利の上昇、為替の変動、不動産に関わる税制の変更、エネルギー価格及びその他の経費の変動、環境に関わる法律や規制の改正、都市計画法やその他政府の取決めや財政政策の変更、キャッシュフローヘの依存度が高いという特性に起因する物件リスクに対する人々の選好度の変化、使用されている建築資材に関わるリスクや運営上の問題点、天災、保険で保障されない不可抗力やその他 PGIM リアルエステートのコントロールを超えた要因で発生しうるリスクがあります。
不動産エクイティおよびデットは、他の資産クラスに比べ比較的流動性の低い資産です。そのため、投資家の償還要求を満たすまでに、かなりの時間を要する場合があります。
u PGIMは各投資家に対する受託者としての義務を果たすもので、償還請求を満たす目的で、投資資産の売却やその他の行動を起こす義務を負いません。加えて、最近の経験が示すように、不動産は長期的なサイクルを描く傾向にあり、このことは不動産価格のボラティリティを著しく高めることとなります。
PGIMが投資を行う物件と運用戦略のパフォーマンスは、米国をはじめとする投資対象市場およびそのサブ市場における健全な経済環境に左右されます。
パフォーマンス目標を達成するのに必要な要素には物件タイプや地理的分散が含まれており、これらはリスクを減らし、広く分散したポートフォリオを維持することを意図しています。物件の立地、資産クラス、物件タイプ、投資戦略および投資の資金調達の仕方という様な、物件に関する選択とパフォーマンスは目標リターンの達成に対して影響を与えます。
パフォーマンス目標の達成を妨げる要素の一部には次の様なものが含まれます。米国市場又は特定の市場や一部の市場に影響を与える、経済および資本市場および人口動態トレンドにおける予期しない突然の大きな変化。またそれらは物件のパフォーマンスや投資家の商業不動産に対する需要に影響を与えます。
外貨建の有価証券については、為替相場の変動等により、受取り円貨額が当初円貨での支払いから変動する可能性があります。これにより投資元本を割り込むことがあります。
レバレッジを行なう場合、運用資産を担保とすることから、保有する資産価格が急激に下落した場合には、必要証拠金の充足が不可能となり、場合によっては投資元本を上回る損失が生じることがあります。
不動産デットには固定クーポンのものも含まれることから、金利の変動により不動産デットの価値が上下する可能性があります。
不動産デット戦略のパフォーマンス目標を達成するのに必要な要素には投資案件の選択、ファンドマネージメントチームの案件をソーシングし選択する能力、それらを実際に問題無く執行する能力、商業不動産市場においてデットの需要が継続すること等が含まれます。このパフォーマンス目標の実現を妨げる要因には、マクロ経済環境や商業不動産業界における著しいマイナスの変化や商業不動産に対して提供されるデットの過剰供給、そして対象物件のパフォーマンス低下等が含まれます。
Collapse SectionPGIMJ132648 5978305=PGIM_20261002