ABFは、機関投資家がより高い利回りと差別化されたリターンの源泉を求めるなか、プライベート・クレジット市場で最も急速に成長している分野の一つとなっている。しかし、市場の拡大に伴い、裏付資産そのものだけでなく、その裏付資産に影響を与える様々な要因について理解することがますます重要になっている。
ABFは、幅広い収益源や分散投資の機会を提供し得る一方で、ポートフォリオにおいて果たす役割は取引のストラクチャー、ガバナンス体制、そして継続的なモニタリングによって大きく左右される。市場の裾野が広がるなか、投資家にとっての課題は、単に投資機会を見出すことではなく、それぞれのエクスポージャーが投資目的の達成にどのように貢献するのかを見極めることにある。
社債スプレッドに対するABFの上乗せスプレッド(2015~2026年の期間に取引件数が10件以上あった格付区分に限る)
出所:PGIM、2026年8月時点。
ABF市場は、裏付資産の種類、取引のストラクチャー、投資目的が非常に多様であり、差別化されたリターンの源泉や分散投資をもたらすだけでなく、機関投資家がポートフォリオを構築するうえでの幅広い選択肢を提供する。
したがって、多様なABFの投資機会の特性を理解することは、プライベート・クレジット投資への資産配分において、それぞれの機会がどのような役割を果たし得るのかを見極めるうえで非常に重要となる。
スプレッド/リターン水準とプライシング時点における加重平均残存期間による位置付け
出所:PGIM、2026年8月時点。
当図は例示のみを目的としたものであり、担保資産、ストラクチャー、返済の優先順位、格付、償還スケジュール、市場環境などによってパフォーマンスは大きく異なる可能性があります。また、個々の投資機会が複数のポートフォリオの目標達成に貢献する場合もあります。スプレッドと加重平均残存期間は、すべての取引間で直接比較できるものではありません。過去の実績は将来のパフォーマンスを示唆するものではありません。
従来の企業向け融資とは異なり、多くのABF取引では、投資期間を通じて裏付資産に関する情報に継続的にアクセスすることができる。延滞率、期限前返済率、回収率、サービサーからの報告内容といった情報を通じて、投資家は信用環境の変化や裏付資産の質の変化をより早い段階で把握できる。こうした透明性は、市場環境の変化に応じた、より機動的なリスク管理を支える要因となる。
投資パフォーマンスは、裏付資産そのものと同様に、ガバナンスやストラクチャーによっても大きく左右される。貸し手保護条項、サービシング体制、コベナンツの枠組み、さらには市場環境が悪化した局面で投資家がどの程度コントロール権を行使できるかといった要素は、時間の経過とともにパフォーマンスに大きな影響を及す。したがって、ABF投資では、信用力の分析に加え、ストラクチャリングや案件管理に関する深い専門性を兼ね備えることが不可欠となる。
プルデンシャル・フィナンシャル・インク(PFI)は、第一に利回りの向上を、第二に分散の強化を目指した。対象としたのは、パブリックおよびプライベートの社債と商業用不動産に集中していた固定利付ポートフォリオである。信用力を犠牲にすることなく、既存資産とは性質の異なる収益源とリスクを取り込むことが狙いだった。
Collapse SectionPFIは、ABF投資と既存保有資産との重複リスクを把握するため、ポートフォリオ全体の視点から検証を行った。また、運用会社とも連携し、既存資産とは性質の異なる担保への投資を重視し、企業の信用力に連動するABFを抑制した。こうしたトップダウンの視点でパブリックとプライベートの保有資産間の集中や重複に配慮しながら、約140億米ドルの資金をABFに振り向けてきた。
Collapse Sectionこうして、分散と利回り向上に寄与するABFポートフォリオが構築され、今後のさらなる拡大に向けた基盤も整った。ABF市場全体でスプレッドの縮小が進むなかでも、PFIのポートフォリオはストラクチャーの複雑さに見合う上乗せ利回りの獲得や、ホールローンを含む相対取引を活用することで、スプレッド水準、ポートフォリオ構築、新規投資額のいずれについても、引き続き目標を達成している。
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